有馬切手文化博物館にて

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温泉で有名な有馬に切手文化博物館(公益法人)というユニークな博物館があることを知り、家人と連れ立って行ってきました。私自身切手にそれほど興味はありませんが、小さな美術品と言われる切手を眺めること自体は嫌いではありません。小さい頃は切手ブームでどこの家でも集めていたものです。家人も時々面白い切手を買うことがあるそうで見学を楽しみにしていました。写真の建物は、盛岡市にあった馬事文化資料館「稱徳館」を移築したものだそうで、外内観ともになかなか立派な木造建築でした。

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対象物がミニマムサイズの切手というだけあって展示は恐ろしく地味でした。飽き性の子供なら1分間で反乱を起こすでしょう(笑) しかし明治黎明期から現在に至るまでの展示は大変見ごたえがあり、時間が経つのを忘れました。デザイン関連という仕事柄、時代の変遷による意匠の変化や切手文化の移ろいを興味深く思いました。※館内撮影禁止。写真は神戸市広報より

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この日は観察対象が極小というのがわかっていたので、家人ともども先日購入した単眼鏡を持参しました。ガラス越しに小さな活字や意匠の細部を拾うのに大変役に立ちました。家人は3倍のツァイスですが、近接すると20cmまで寄れ5倍のルーペになるのでこの日は大活躍。私の五藤光学製GT-M518(近接50cm)なので切手相手には寄りきれませんでしたが、大口径なので暗い館内でも明るい視野を提供してくれました。

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帰りは有馬の温泉街を少し散歩。前回来たのは10年前ですが、大きく様変わりしたことは外国人観光客が増えたこと。中国語がかしましく飛び交ってました。こんなマイナーな?山奥まで来るんですねぇ。どの看板類には外国語が併記されていました、うむ。

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以前は懐かしい昭和のお店がそこそこ残っていたのですが、今回は殆どが近代的にリニューアルされ、町並みが垢抜けしていました。若い人には歓迎されるでしょう。ホテルや温泉旅館もモダンに改装されているようなので、一度宿泊してみようかと思っています。

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有馬土産といえば炭酸煎餅。好物ですが今回はこんなレトロなものを発見しました(^^)

兵庫県立美術館「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」展

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先日、兵庫県立美術館で開催中の「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法展」に行ってきました。家業がデザイン関連ですしポスターデザインは若い頃から好きだったので、家人ともども楽しめました。

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地味な展示ですし平日だったのでガラガラかと思いきや、館内は意外と人で賑わっていました。さすがに団体客はいなかったのでゆっくり鑑賞できました。やはりデザイナー志望の若い人たちが目立ちました。※写真は毎日新聞

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フランスのポスター画家であるレイモン・サヴィニャック(Raymond Savignac、1907- 2002)をご存知の人は少ないと思いますが、世界的な文具メーカーBICの有名キャラクターBIC BOYをデザインした人です。

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初期から晩年までかなりの作品が展示されていて見ごたえがありました。商品を広告するための商業デザインながら、どの作品もニヤリとさせる可笑しみやエスプリが効いていて面白かったです。画のタッチや色使いが素敵で、絵本のカットを一枚一枚見ているようでもありました。

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会場のアチラコチラで展開されていたビジュアルな誘導サイン。サヴィニャックのポスターから抽出した遊び心のあるアイコンでした。美術館も最近はこんなふうに工夫していますね。

ベラスケスに脱帽!兵庫県立美術館「プラド美術館展」

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先日、兵庫県立美術館で開催中のプラド美術館展へ行ってきました。かねてより見たかったベラスケス、マドリードならぬ神戸でじっくり鑑賞することができてナイスな一日でした。平日なのでそれほどの人手ではありませんせしたが、外人客が多かったノイはのにはびっくり。半数はアジア系の人たちで占められていたのではなかったでしょうか。観光地と違ってさすがにお行儀の良い人ばかりで、こちらも気分良く鑑賞できました。


マネが「画家の中の画家」と呼んだベラスケスは、卓越した技法の持ち主として知られていますが、実際に現物をみて納得できました。どの絵も「鏡のようなリアリズム」で描かれているのですが、そばに寄って見るとディティールが荒いタッチで省略的にすばやく描かれており細かくは判別できないことに驚きました。同時代の他の作家たちの作品も並べられていましたが、いずれも丁寧に細密的に描かれているとは対照的で、さすがの一言。

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代表作の一つ「バリェーカスの少年」、よかったですねぇ。しばし見とれて立ちすくみました。ベラスケスは当時虐げられる存在であった矮人たちや下級層の人々を描いていますが、この作品を見ると彼がなぜ彼らをモデルとして選んだが、なんとなくわかるような気がしました。かれはきっと宮廷画家の枠を超えたヒュマーニストでありたかったのでしょう。ベラスケスの傑作といえばそのだまし絵的な構図の「女官たち(ラス・メニーナス)」が有名ですが、さすがに国宝は持ち出せなかったのか、今回見ることはかないませんでした。が素晴らしい作品を7点も鑑賞できて十二分に満足できました。

今回はベラスケスだけでなくティツィアーノ、ルーベンスなどの巨匠たちの作品や大好きなグレコの小品などもあって、満足度100%。意外に魅入られたのがポデゴン(スペイン静物画)のコレクションを展示したブース。とても素敵な時間を過ごせました。

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毎回思うのがこの美術館の不可解不思議な通路計画。安藤忠雄の美的センスには頭が下がりますが、もう少し高齢者たちのことも考えてくれ(笑)

鉄斎美術館展覧会にて 「鉄斎の旅―足跡、天下に遍し―」

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先日、宝塚は清荒神清澄寺内にある鉄斎美術館で開催されている展覧会 「鉄斎の旅―足跡、天下に遍し―」へ行ってきました。その10日ほど前にも行ったのですが、あいにく休館(調査不足)で二度手間になっちゃいました。鉄斎美術館は、清荒神清澄寺第37世法主光浄和上が長年蒐集した富岡鉄斎の作品を公開するために、第38世法主光聰和上が昭和50年に開館した美術館です。手入れの行き届いた境内の奥まった位置に建つ美術館はなかなかの景観で期待感がそそられます。※写真はすべて告知サイトからの借用

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初めて拝見した館内はシンプルな設えながらも天井が高く広々とした空間でした。昨今の美術館や博物館は照度を落としすぎていて、爺の劣化視力では辛いことが多いのですが、ここは暗からず明るからず過不足のない環境でした。ちゃんと作品を鑑賞してもらおうという館側の気配りが感じられて好感を抱きました。

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富岡鉄斎といえば近代日本画(南画)の巨匠とされていますが、僕的にはちょっと下手上手な絵を生涯描き続けた爺という印象しかありませんでした。しかしいわゆる文人画は好きなジャンルなので、一度は本物をずずいと見たいと思っていました。

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今回の展示会は鉄斎の代表作品の羅列ではなく、鉄斎の全国遍歴の旅を辿るというテーマ展でした。そのため文献では見たことのない作品や旅の絵日記を鑑賞でき、なかなか興味深いものがありました。鉄斎への興味喚起という点では、一般的な作品展より役に立ったかも。文人画の大家だけあって画賛にも深い教養と薀蓄が感じられて面白かったです。次回、秋のテーマ展にもまた行きたいと思っています。参道にも美味しい店(蕎麦、お菓子、佃煮など)が色々あるので今から楽しみです。

地味ながらも興味深かった「UCCコーヒー博物館」

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「鋼の錬金術師展」見学後、時間が余ったので、ポートアイランドにある「UCCコーヒー博物館」へ回ってみました。このミュージアムは1987年誕生でユーシーシー上島珈琲が運営しています。バブル期の建築ゆえか豪華な外観ですし、しかもちょっとエスニックな雰囲気なのでコーヒーの持つ文化イメージにとても似合っています。ポートアイランドに開館以来31年にもなりますが、その間神戸市民ながら一度も覗いたことがありませんでした。まぁ博物館としては地味で見るところがないだろうと思っていたからです。

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当日は平日で雨という条件、さぞ館内はガラガラだと思っていたら、ところがどっこいけっこうな人出で賑わっていました。何度もリニュアルをしたのでしょうか、館内に古びた感じはなくとても清潔ですし、展示のため導入されている視聴機材も最新のものばかりでした。行政運営の博物館はともすれば展示物にほこりが被っているような裏寂しさがありますが、ここはさすが業界一流企業の運営だけあって、人員の配置やサービスが行き届いていました。※もっとも大雨の影響で屋根防水が切れたのか、3階の一部がかなりの雨もりでスタッフが雑巾とバケツを持って走り回っていました。UCC名誉のために言うと現在はスタッフの努力で復旧しているはずです(汗)

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右手に並んだ額に入っているのはコーヒー豆を入れるための麻袋、いわゆるドンゴロスです。いろんな洒落た柄があって大変興味深かったです。神戸は昔から珈琲とは縁の深い街だったので、僕も子供の頃を思い出して懐かしく思いました。

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いろんな展示品があって多くの発見がありました。一通り見回った後はテイスティングコーナーで味見のひととき。4月はインドネシがテーマでマンデリン(アラビカ種)とジャバ・ロブスタ(カネフォラ種)。マンデリンはその昔、純喫茶ブームの頃に通を気取って飲んだことがあります。ちょっと酸味のある軽い味わいで個性的な豆ですね。

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こんな面白い展示を見つけました。映画エヴァンゲリオンで加持リョウジが碇シンジにUCCのミルクコーヒー缶を手渡すシーン。僕は仕事の関係で、この世界初の缶コーヒー(愛称三色缶)と少し関わったことがあり懐かしかったです。家人は最後にスーベニールコーナーでコロンビア・スプレモをゲット。やや苦味と酸味が勝った通向けの味わい。帰ってから僕もいただきましたが美味しかったです。

展示そのものは珈琲という地味な対象ですが、膨大な資料やグッズのために上手く構成された見学路や、あきさせないためのハイテクを導入した視聴コーナー、ゲームなど、ずいぶんな工夫を感じました。買い物や飲食を楽しめるコーナーもあるので、ポートアイランドに足を向けることがあればぜひ覗いてみて下さい。おすすめです。

神戸ゆかりの美術館にて「鋼の錬金術師展」

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全世界発行部数7000万部を超える大ヒット漫画「鋼の錬金術師」の巡回原画展が神戸にやってきたので、先日家人と見に行ってきました。場所は六甲アイランドにある神戸ゆかりの美術館。ちょっとマイナーな美術館ながら時々面白い展示をやるので、チェックを見逃せません。会場内はさぞ若い人ばかりだろうと、シルバー二人組はちょっと気恥ずかしかったのですが、案外年配の人も多くホッとしました(汗) 私達はTVアニメしか知りませんが、あれだけ面白いのだから子供から大人まで広い世代で支持されているということなのでしょう。

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原作者の荒川弘氏はすばらしく絵の上手い人で、原画を見るのが楽しみでしたが、やはり名手でした。彼女なら一流のイラストレーターとしても喰っていけたでしょう。もっともストーリーテーラーとして超一流だから漫画家として名を為したのでしょうが。※画像は告知サイトより拝借



荒川弘氏のイラストメイキングDVDが会場で放映されていました。さすが一流プロ、手が早いです。ちょっと参考になるテクニックもありました(嘘) TVアニメは予算の関係からか、原作とはデッサンやタッチに大きな差があるものですが、このアニメ(一期二期とも)は落差をそれほど感じませんでした。制作会社が優秀だったのでしょうね。

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記念撮影コーナー、作者のキャラクター「牛」が金粉まみれで中央に鎮座。私達もパチリ(笑)


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この手の展示会には、キャラクターグッズや書籍がてんこ盛り並べられますが、今回笑ってしまったのはロイ・マスタングのコスプレ手袋、もちろん発火仕様(笑) しかもお一人様3対までとは。何でも売れるのですねぇ。

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最後に大笑いしたのは会場内のトイレサイン。なんと男女のピクトサインがそれぞれアームストロング姉弟のシルエットに。オリヴィエ・ミラ・アームストロング少将もトイレに飾られるとは思っていなかったでしょう(笑) 漫画やアニメ、イラストの原画展は外さないようにしていますが、今回も面白かったです。