地味ながらも興味深かった「UCCコーヒー博物館」

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「鋼の錬金術師展」見学後、時間が余ったので、ポートアイランドにある「UCCコーヒー博物館」へ回ってみました。このミュージアムは1987年誕生でユーシーシー上島珈琲が運営しています。バブル期の建築ゆえか豪華な外観ですし、しかもちょっとエスニックな雰囲気なのでコーヒーの持つ文化イメージにとても似合っています。ポートアイランドに開館以来31年にもなりますが、その間神戸市民ながら一度も覗いたことがありませんでした。まぁ博物館としては地味で見るところがないだろうと思っていたからです。

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当日は平日で雨という条件、さぞ館内はガラガラだと思っていたら、ところがどっこいけっこうな人出で賑わっていました。何度もリニュアルをしたのでしょうか、館内に古びた感じはなくとても清潔ですし、展示のため導入されている視聴機材も最新のものばかりでした。行政運営の博物館はともすれば展示物にほこりが被っているような裏寂しさがありますが、ここはさすが業界一流企業の運営だけあって、人員の配置やサービスが行き届いていました。※もっとも大雨の影響で屋根防水が切れたのか、3階の一部がかなりの雨もりでスタッフが雑巾とバケツを持って走り回っていました。UCC名誉のために言うと現在はスタッフの努力で復旧しているはずです(汗)

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右手に並んだ額に入っているのはコーヒー豆を入れるための麻袋、いわゆるドンゴロスです。いろんな洒落た柄があって大変興味深かったです。神戸は昔から珈琲とは縁の深い街だったので、僕も子供の頃を思い出して懐かしく思いました。

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いろんな展示品があって多くの発見がありました。一通り見回った後はテイスティングコーナーで味見のひととき。4月はインドネシがテーマでマンデリン(アラビカ種)とジャバ・ロブスタ(カネフォラ種)。マンデリンはその昔、純喫茶ブームの頃に通を気取って飲んだことがあります。ちょっと酸味のある軽い味わいで個性的な豆ですね。

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こんな面白い展示を見つけました。映画エヴァンゲリオンで加持リョウジが碇シンジにUCCのミルクコーヒー缶を手渡すシーン。僕は仕事の関係で、この世界初の缶コーヒー(愛称三色缶)と少し関わったことがあり懐かしかったです。家人は最後にスーベニールコーナーでコロンビア・スプレモをゲット。やや苦味と酸味が勝った通向けの味わい。帰ってから僕もいただきましたが美味しかったです。

展示そのものは珈琲という地味な対象ですが、膨大な資料やグッズのために上手く構成された見学路や、あきさせないためのハイテクを導入した視聴コーナー、ゲームなど、ずいぶんな工夫を感じました。買い物や飲食を楽しめるコーナーもあるので、ポートアイランドに足を向けることがあればぜひ覗いてみて下さい。おすすめです。

新・神戸百景 ジェームズ邸点景

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食事絡みのブログとなれば料理写真は必需ですが、口が卑しいのかメニューを前にするとたいてい撮り忘れてしまいます。当日も気がついたのはメインディッシュを摂り終えてから。齧ったパンとバターしかなかったので、見た目がマシな方でお茶を濁します(汗)

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客室の窓から望む春の海。お天気がよくてひねもすのたりです。


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ウェディング会場でもあるので新婚さんがカメラマンと闊歩。晴れがましい立ち姿~お幸せに。


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ご近所は潮風が吹き抜ける端正な住宅街。素晴らしい立地です。


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旧い洋館だけあってディティールが見事。ナイスな被写体には事欠きません。


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ゴブラン織の見事なソファー。座り心地も良かったです。


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望楼への螺旋階段。鉄と漆喰のコンビネーションが絵になります。


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ラウンジのペンダント。アカントスな天井の漆喰模様とあいまってスパニッシュな感覚です。


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ホールからエントランスを見たところ。初めての訪問でしたがまた来たくなる環境でした。
この項終わり

新・神戸百景 ジェームズ邸

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先日、家人と久しぶりにランチに出かけることにしました。行き先はかねてより一度行ってみたいと思っていたジェームズ邸。NHK[べっぴんさん」の主人公が少女時代を過ごした屋敷として、ロケで使われていた豪邸です。昭和5年、イギリス人貿易商アーネスト・ウイリアムス・ジェームスが自邸として建築、同時に周辺を外国人向け宅地として開発したところから、この一帯はジェームズ山と呼ばれています。設計施工は竹中工務店、スパニッシュスタイルと呼ばれる瀟洒な様式は広大な敷地とあいまって素晴らしい景観です。

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ジェームスの没後、旧邸とイギリス人住宅地を井植歳男(三洋電機創業者)が所有し、2012年に神戸市の指定有形文化財となりました。同年12月からは、三洋電機より借り受けたノバレーゼが婚礼施設兼フレンチレストラン「ジェームス邸」として運営しています。この日はちょっとお高いランチ(二人で15,000円ほど)を楽しみました。写真は1Fのホール。

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2Fへの踊り場には美しいステンドグラスが設えられています。


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2Fの元寝室が客室に改装されています。テーブルから隣の部屋を覗いたところ。


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廊下から望楼へ上がることができます~わくわく。


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螺旋階段から美しくもレトロな望楼に上ったところ。抜群の風情です。


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キラキラと煌く播磨灘。この日は和歌山の友ヶ島まで望むことができました。


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地下にもレストラン(元バー)まであります。次回はここでアラカルトをいただきましょう。


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豪邸にふさわしくプールまでありました。現在は半分以上埋められてバンケットホールに~残念。


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ナイスな給水場、噴水のような設えです。「べっぴんさん」にも繰り返し登場していましたね。
この項続く

新・神戸百景「湊川隧道探検記」

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先日NHKで「ブラタモリ」神戸編で湊川隧道が取り上げられていて興味深く視聴しました。明治34年、竣工神戸市治水と市街地改造を目的として作られた河川トンネルで、会下山を貫通しています。現在は新湊川トンネルにその役割を譲りましたが、旧トンネルの呑口、内部は近代化遺産として保存されています。見学できるのかなと思って調べてみたら、毎月第3土曜日の13時~15時に一般公開されているということなので、神戸市民の端くれとして家人と二人出かけてきました。

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古い隧道へのアクセスは、新たに作られた斜路でアプローチする仕組みです。通路の左右には隧道や地区にまつわる古い資料が展示されており、なかなか興味深いものでした。当時としてはハイテクな技術を駆使して作られたトンネルだったようです。

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斜路から隧道へ入ったところ。思ったより大きく立派なトンネルでした。


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丁寧に積まれた煉瓦、風情があります。


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歩いていくと何やら人だかりが。


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ミニコンサートが開催されていました。


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演目は村上和幸さんの尺八。ホール効果でなかなかの音でした。


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当日はアマチュアカメラマンの姿もちらほら。なかなか絵になるところです。


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Uターンして再び斜路を上がると外光が眩しいです。短い時間でしたが興味深い体験でした。運営に携われておられるボランティア有志「湊川隧道保存友の会」の方々にお礼を申し上げます。

古い神戸は清盛の時代から栄えた兵庫地区と、東部の神戸地区の2つに別れており、旧湊川によって分断されていました。この旧湊川を付け替えた事により兵庫地区と神戸地区が一体化され、その後の市の発展に寄与したそうです。行政ではなく民間資本で行われた大工事だとか。長らく神戸で人間やっていますが、知らないことがまだまだあり勉強になりました。

さて当日はE-M1markIIと24-100mmF4を持ち出しました。F4開放(ISO1600)で0.3sec~1/6程度と非常に厳しい光量でしたが、見事に被写体を捉えてくれました。かなり動体ブレしているコマが多かったので駄目かなって思ってチェックしてみたら、見事に止まってました。恐るべし6.5段補正の実力! ノイズもかなり減っていますし、ダイナミックレンジの拡大も体感できました。初代もまずまずの画質でしたが、3年分の進化は大したものです。APS-C相手なら、画質的には不満を感じることはないでしょう。ブルンとしたシャッターフィーリングは快感の一言。

相変わらずスカタンな操作系については・・設計陣の頑固さには呆れ果てるばかりです。現場で使う機械というのは、なんでもできるという高機能より、シンプルで直感的なIFが最重要だと思うのですが。かのスティーブ・ジョブスは言っています。「なにを足すかではなく、なにを捨てるかが難しいのだ」。至言であります。カメラではキャノンが一番この思想に近いですかね。

新・神戸百景 ラスイート神戸新港第一突堤プロジェクト

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神戸といえばかって世界一の輸出取引高を誇り、高度成長期の日本を支えた世界的な港ですが、そんな話も今は昔、いまは静かに佇むウォーターフロントです。その突堤群の一つ、新港第一突堤の跡地が再開発され「ラスイート神戸新港第一突堤プロジェクト」として2015年に生まれ変わりました。たまたま行く機会がなかったのですが、昨年末野暮用ついでに家人と歩いてきました。

「ラスイート神戸新港第一突堤プロジェクト」は「神戸みなと温泉 蓮」「ラ・スイート神戸オーシャンズガーデン」「ラ・スイート神戸オーシャンズガーデンウェディング」で構成された複合施設です。

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突堤の敷地に入ると、左手にホテル「ラ・スイート神戸オーシャンズガーデン」が見えてきました。立地柄、リゾートホテルぽいのかなと思いきや、築30年クラスのマンションあるいは老人ホーム(失礼)にしか見えない建物で、市民としてはがっかりの一言。「神戸みなと温泉 蓮」にいたっては、ぱっと見、何処にあるかもわかりません、うむ。

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港内に目を転ずると、偶然にも懐かしの豪華客船「日本丸」(商船三井客船所属/22,472トン)が中突堤に入ってくるところでした。昔この船の姉妹船「ふじ丸」でクルーズしたことがあるのです(遠い目)。

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突堤の先よりに歩いていくと「ラ・スイート神戸オーシャンズガーデンウェディング」がありました。ちょうどチャペルの最中でガラス越しに幸せそうなシルエットが。若い二人の行く手に幸多からんことを…

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突堤先端はかなり広大な空間にポツンポツンとベンチがあるだけ。「なんじゃ!これは~」遊具のたぐいもなく子供が遊べるような雰囲気ではありません。平日とはいえこの大空間に私達二人と所在なげな親父の三人だけ、閑散にもほどがある(笑)

市が貧乏なのは分かっていますが、歴史的なウォートフロントをおそらくタダ同然でリースし、一等立地を市民のための都市公園として活用させる知恵もない~行政とは何をなすべきなのか、全く分かっていない輩たちには呆れるばかりです(怒) 写真、手すりの向こうに見えるのは株式会社神戸の名を全国に知らしめたポートアイランドの建物群。反省点も多いながら活気に満ちた時代でした。

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しょぼいベンチから左手に見えるのが川崎重工のクレーン群。構造不況の代表といわれた造船業も一時よりは活気を取り戻したようで、港町の市民としては嬉しく思ってます。当日は寒天の下、寒々しい景色を歩いてきましたが、ターナーのような空模様を楽しめたのが幸いでした。by CASIO EX-ZR4000

新・神戸百景 三井住友銀行神戸営業部








大きな建物が少ない神戸としては、とても押し出しのよい立派な銀行です。しかし古きよき時代の神戸銀行(H2年三井銀行と合併し解散)を知る者にとっては、ちょっぴり寂しい感がないではありません。

小磯記念美術館にて「野田弘志展―凍結する時―」

先日、念願の植田正治写真美術館へ遠出するべく車に油を補充、準備万端し念のために美術館のサイトを覗いたら、なんと12月から冬季休館とのこと、ガ〜ン!まぁ雨も降ってきたので、近場六甲アイランドの小磯記念美術館へ行き先を大変更(笑)市内の美術館、博物館はほぼ行き尽くしていますが、ここは初めてになります。

景気がまだよかった頃の建設(1992年)なので、設えにはお金がかかっていてなかなかアメニティな空間です。神戸出身の小磯画伯のアトリエの一部が中庭に移築されています。

回廊にそって3つの展示室があります。

画家といえば絵が上手いに決まっていますが、中でも小磯良平という人は特別に上手い人に思えます。肖像画の名手として知られていますが、さもありなんです。それだけに器用さが目について、魂の叫びが聞こえるような作品はないような。でもバレリーナを描いた一連の作品は好きですねぇ。長らくフランスに遊学していただけあって、サロン的な市民感覚の影響を受けたのでしょうか。

特別開催されていた「野田弘志展―凍結する時―」 ボクはこの人の絵を見るのは初めてなんですが、ちょっと驚き桃の木。おそろしく細密な世界でした。絵画はリアリズムであるという主張がまさに伝わってくる作品群でした。といって写真的ではまったくなく、むしろシュールで大変おもしろく鑑賞できました。また鉛筆画の小品として、新聞連載小説の挿絵が連作で展示されていたのですが、これも感動的によかった。雨の日曜日、目の悪い爺さんの目の保養になりました。