
12月10日、姉夫婦と連れ立って奈良へ出かけました。今回の目的は仏の守護神たちを拝観するためです。前回は興福寺宝物館で念願の阿修羅像と出会えプチ感激。混雑を避けるために平日を選びましたが、雨模様もあって人出は少なく古都は静か。まずは東大寺にある戒壇院を訪れました。

754年(天平勝宝6)聖武上皇は光明皇太后らとともに唐から渡来した鑑真から戒を授かり、翌年、日本初の正式な授戒の場として戒壇院を建立した。戒壇堂・講堂・僧坊・廻廊などを備えていたが、江戸時代までに3度火災で焼失、戒壇堂と千手堂だけが復興された。※Wikipediaより

それほど大きな堂ではありませんが、なかなかの押し出しです。かの空海が入唐直前31歳の年に、この戒壇院で得度受戒したそうな、ふむ。お目当ての天平美術の最高傑作とされる国宝「木造四天王立像」はここに鎮座されます。

堂内は撮影禁止のため、ネットから借用。左から広目天、増長天、持国天、多聞天。それぞれ釈迦如来、多宝如来の二仏を取り囲むよう四方に位置しています。参拝者は見上げる形で等身大の四天王と対峙できます。写真で見ても素晴らしいですが、さすが現物が醸し出す存在感は無比の一言。いまはない中門堂(焼失)から移されたものと言われていますが、よくぞ1200年以上経った現在まで、この至宝が残されたものです。

私が特に心惹かれたのは広目天。額に皺を寄せ遠く(の仏敵か)を凝視する眼差、広目とは千里眼のことであり、まさにその目で遠くの事象を見通しているのでしょうか。精神世界の高みをこれほど表現した作品はそうそうざらではなく、さすが国宝です。
作者は東大寺の盧遮那仏製作にも関わったとされる国中連公麻呂(くになかのむらじきみまろ)、天平のミケランジェロという人もいるとか。う〜ん、いいものを見させていただきました。

東大寺といえば大仏殿のイメージが強いですが、二月堂以外にもこんな素晴らしいお堂がありました。演出的ですらある暗い空間に屹立する四天王は素晴らしかったです。撮影禁止のためカメラのファインダーを通さず、じっくり肉眼で拝観したのがよかったのかな。★この項続く
Last Modified : 2018-08-28
もっとも見学コースに入っていても、まったく頭に残っていないぼんくらだったかも(笑)
凄い気迫の作品です、圧倒されました。
撮影禁止でもいいですから、これはぜひナマで見てみたいです~♪
奈良なら、鳥取よりは近いもんね。^^v
天平の都にはすごい芸術家がいました^^
どんな思いを込めて彫ったのでしょうか。