2020-08-03 (Mon)
22:18
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ニュースによれば、国内三脚のトップメーカーベルボンが、すべての事業を8月中にハクバ写真産業へ譲渡するとか。唐突に思えたが、よく考えればカメラ販売額が8年で7割縮小(2019年)という嵐、大手オリンパスさえ撤退する中で、撮影機材メーカーも影響をもろに受けるわけで、しかも今年のコロナ騒動で青息吐息だったと思う。ずいぶん昔になるが、初めて購入した三脚がベルボンで、当時国内メーカーでは一番先進的な設計、品質だったように覚えている。※写真は2007年頃使っていたベルボンEl Carmagne 545。カメラはオリンパスE520(泣)
自称三脚フェチだから、長年三脚メーカーをチェックしてきたが、ここ数年日本メーカーはさっぱりでベルボンも例外でなかった。出すもの出すもの焼き直しばかりで、新たに型を起こして新機軸製品を世に問うということは、ほとんどなかったといっていい。粗悪なコピーから始まった中国メーカーが、ここ数年で高品質なオリジナル製品を次々に生み出していることと比較すると隔世の感がある。残念ではあるが国自体の活力が全く違う。まだまだ伸びしろのある青年期の国と、老人ばかりで構造疲弊した国との差だ。

ベルボンといえば高伸縮三脚ウルトレックがお気に入りだ。欠点がいくつもある三脚だが、ほぼワンタッチで脚を出し入れする構造を気に入り過去小から大まで色々使った。一脚は特に素晴らしい。現在も同構造のライトスタンドを使っているが、やはり便利だ。個人的にはジッツオ、マンフロットが好きだが、ジッツオは高価になりすぎて手が届かなくなった。国産では三脚本体はベルボン、雲台はスリックを使い分けていたが、残念ながらスリックも新製品はまるで面白みがなく、中国のOEM製品に頼っているようだ。※写真はベルボンウルトラスティックスーパー8一脚

もう日本の撮影機材メーカーは三脚に限らず全滅状態で、あらゆる分野で侵食され尽くしてしまった。中国系の三脚メーカーは競争も激しいだろうが旺盛な国内需要にも支えられて、次々と新機軸の物が出る。カメラ(スマホ)スタビライザーなど動画にも力を入れているし、これ以上進化が望めないと思えていた三脚分野でも、LEOFOTOのように面白い発想のものが出てくるし、マンフロットの上を行くようなシステム化も進んでいる。最近ではギア雲台にいいものが出てきており、僕の欲しいアイテムの一つになっている。安かろう悪かろうではなく、メーカーによっては高品質高バリューでブランド化されつつある。

写真はハクバ製雲台(ベルボンOEM)。昔聞いた話だがベルボンとハクバは経営者同士が親戚とかで、ハクバの三脚はベルボンのOEMだ。今回の事業譲渡にあたってユーザーがサポートで不便を感じることはないだろうが、もう新製品には期待できないだろう。先日購入したBTスイッチ付き自撮り棒はなかなかの出来でさすがベルボンと思ったのだが。老舗がまた一つ消えて寂しい限りだ。個人的には一度プロフェッショナル・ジオV640を使ってみたかった。
Last Modified : 2020-08-04
Re: M2pictさん * by monopod
ほんと、切ないですねぇ。アフターサービスの良さは私も実感しています。
ハクバでも頑張ってくれると嬉しいのですが。先のことはわからないので、ちょっと買っておこうかなと思う製品をピックアップ中です、
ハクバでも頑張ってくれると嬉しいのですが。先のことはわからないので、ちょっと買っておこうかなと思う製品をピックアップ中です、
ベルボンは、アフターサービスの良い良心的な会社なので、譲渡先でも末永く頑張ってもらいたいです。
かつて日本の三脚は、低価格高品質で、欧米でセールスしていましたからね。
今や中国にお株を奪われました…