2020-11-17 (Tue)
22:01
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双眼鏡は昔から好きなので、新製品ウォッチングは欠かさないようにしているが、今日は今年の8月に発売された世界初分離式双眼鏡 PENTAX VD 4x20 WPについて考えてみた。大体PENTAXという会社は日本初の一眼レフを作って世に問うたカメラ会社だ。その後紆余曲折を経てリコーの傘下に入っているが、忘れた頃に斬新かつ面白い新製品を出してくる。現在所有しているリコーの超近接双眼鏡Papilio II 6.5x21はその唯一無二の性能で僕のお気に入りだ。今年リコーが世に問うた双眼鏡は、左右二本の筐体が分離するという変態仕様の双眼鏡だ。口径20mm4倍だから倍率は低いが瞳系は5mmで明るい。防水仕様でもある。

分離させると1台の双眼鏡が2台の単眼鏡になり同行者とシェアできるという仕組みだ。しかもストラップもそれぞれ二本に別れて単独使用できる仕様だ。偏執的ですらあるこだわりには、やや腰が引ける思い(笑) しかし単眼鏡としてみると口径20mm4倍、かつ最短距離は50cmだから、単眼鏡として十二分なスペックで、おまけや代用品レベルではなく立派なものだ。美術館や自然観察に十分使える。

分離させるだけでなく、前後に合体させると16倍単眼鏡になるというギミックも面白い。16倍という倍率はほぼフィールドスコープだから手持ちでは視界が揺れるだろうが、別売の三脚アダプターを装着するとお手軽スコープになる。誰が企画したのか知らないが、よくこんな企画が通ったものだ。一眼レフ時代からPENTAXというと、僕にとっては保守的なイメージだが、実際にはあの変態Qシリーズを世に問うぐらいだから、遊び好きの面白い人達が集まっているのだろう。

同時発売の単眼鏡VM 6x21 WPもユニークだ。片手でホールドしながら操作できるシーソー式フォーカス機構なのでワンハンドグリップだ。見た目も小型ビデオのようで格好いい。マクロスタンドを使うと18倍の顕微鏡、スマートフォンアダプターで撮影も可能と、欲張ったコンセプトだ。前記の双眼鏡もこの双眼鏡も、商業的にはそれほど成功しないだろうが、多くのカメラメーカーが七転八倒する中で、なにか心の余裕を感じさせるPENTAXのものづくりに、ちょっとホッとした今日このごろ。
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Last Modified : 2020-11-17