
原点回帰
今週のデジカメWatch「本田雅一の業界トレンド予報」を読まれたのでしょうか。この人のコラムは毎回洞察に富み楽しみにしているのですが、今回もふむむと頷きました。内容として右肩上がりながらも市場飽和に近づきつつあったカメラ業界が、今回の壊滅的な景気後退を受けていかに次の一手を打つべきかという示唆です。
たしかに筆者が云わんとすることには共感できます。マーケティング至上時代でありながら、金太郎飴のごとく右にならえの物作り、営業サイドの圧力で押し切られる物作り、会議会議でしか生まれないいびつな物作り、技術者のインスピレーションを生かさない上意下達の物作り、職人より企画者の方が多いという不思議な物作り、まさに日本の物作りは危機です。
時代を先取りしたプロダクトがないわけではありません。全員ズーム時代に一人単焦点で勝負したハイエンドコンデジGRD、センサーサイズを生かし切ったE-410、フォビオンを玩具的ボディに詰めてしまったDP1、超高速連写のカシオEX-F1、Fマウントでは不可能と云われた技術の壁を乗り越えたD3、脱一眼レフの模範的回答DMC-G1などなど。しかし悲しいことに1~2年でスクラップされるものばかりなのです。決して安い買い物ではないのに。
昔は、基本的にフィルムという媒体に画質が支配されていたので、メーカー同士の競争もある意味大らかで、いろいろな個性の存続が許されていました。しかしデジタル時代の今日、画質はメーカーの開発力に左右されます。解像力、ノイズ、収差、色再現性、階調、はてはボケ、味という定性的なものまで要求は多大です。もちろんコストの縛りは技術者を苦しめます。生き残りを賭けて彼らは戦っています。小遣いを貯めて好きなカメラを買って、こつこつ中古レンズを揃えている愛好家の気持ちを汲み取る余裕などないでしょう。
50mmF1.4Gや35mmF1.8Gを出すのに何年かかったのでしょう。某サードパーティに美味しいところをみんな持って行かれたので、パイはあまり残っていないと思うのですが。大企業は開発リソースが大きいのでやるときはやるのですが、小回りが効きません。ですから小さい市場向けの商品開発や生産流通は専門の子会社を作ってやらせたら面白いと思うのです。カメラは世界一でも周辺機材はまったく駄目で海外製の方が魅力的です。これも分社化することで新たな市場創造が可能ではないでしょうか。国内工場の保護活性化も考えて欲しいものです。ベンチャーによる物作りの気風がすっかり消えてしまった日本、株価に一喜一憂、観光入り込みに一喜一憂、早すぎる斜陽です。長文駄筆多謝。
Last Modified : 2017-01-10
面白いでしょう、雑誌やTVには決して写らないアングルですのでご紹介しました。
まずは誰も撮影しない風景ですね。屋根の重なり。TVアンテナ、電線、電話線、邪魔なものばかり、だから面白い写真ですね。
物作りの基本は必要だから、いらないものは作らない。そうとばかりはいかなくなったんですね、いつのまにか。
ありがとうございました。
風見鶏もこういう切り取り方で魅力が上がりますね。
観光写真っぽくなりがちですものね。
物作り、仰るとおり!!
コシナがいかに魅力的なメーカーであるのか、最近理解できました。
数が出なくても利益を守れる、そういう小さくても個性的な会社を応援したくなります。
日常と非日常の融合した「平和な不思議感」がイイですね(^。^)
モノクロのトーンの出し方もさすがです。
確かに最近のカメラ・レンズにはワクワクするものが少ないですね。
デジカメでも撮像素子やAFセンサー、ファインダーなんかが脱着式で
システムアップしたりできると楽しいし、長く使えるのに、、、
といつも思います(笑)
たしかに誰も撮影しない写真だと思います。
結構面白いんですが、構成が難しくて(^^;
我が道をいくコシナ、面白い会社ですね。
東洋のZeissといってもいいんじゃないでしょうか(^^)b
そういえばNikonが交換式ファインダーを作らなくなってから久しいですね。
画質向上も結構ですが、カメラ少年をわくわくさせてくれるギミックが欲しいです。
モノクロは本当に参考になります。^^
田舎にはこんな風見鶏の建物ありません。
昔のカメラを見ると、玄人好みに答える、
マイスターならではのエッセンスがあったように思えます。
田舎には田舎でしか撮れない被写体があるので、一長一短ですよ(^^)b
カメラも進歩しすぎて神秘的なオーラがなくなっちゃいましたね。
違った建物のようです。