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ナイスバリュー!PENTAX 双眼鏡 AD 10×36 WP

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安価ながらも面白そうな双眼鏡を見つけたのでポチッと購入した。以前から小型軽量の10倍が欲しかったので、評判の良いニコンのモナーク7 10倍にほとんど決めかけていたのだが、調べているうちにリコーから発売されているPENTAX AD 10×36 WPに興味が湧いて試してみることにした。PENTAXの双眼鏡は最近ではパピリオしか使ったことがないが、安価なレギュラークラスでも手抜き感がなくしっかり作られているので、個人的に信頼感を持っている。

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PENTAXの双眼鏡は欧州御三家に通ずるスタイルの良さが魅力だ。この双眼鏡も男前で外観は渋いグリーンだ。一番の特徴は対物レンズが36mmで主流の32mm級、42mm級の中間口径というから面白い。安く売られているのはこの商品企画が外れたからかも(笑) モナーク7の10倍は明るさ9、こいつは13なので明るさに関してはひとみ径が大きい分アドバンテージがある。ネットでの評判は良かったが、総体安価な双眼鏡しか使ったことのないレビュワーは点数が甘いので、油断はできない。双眼鏡はカメラと同じく価格との相関性が高い光学機器だけに不安もある。ということで届いた品物を覗いてみたら、あらいいじゃん。いい意味で期待が裏切られてホッ。

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早速我が家の標準原器、ツァイスのコンクエスト10x32と比較してみた。やはりヌケの良さ、解像感はツァイスが一枚上手。EDレンズが使われていないので色収差にも差がある。といってペンタが悪いわけではない。歪曲収差ではむしろペンタのほうが良かった。被写界深度はやや浅い印象。特筆すべきはフレアの少なさ、逆光時でもフレア、ゴーストは抑えられていた。そういえばペンタックスのマルチコートって有名だったことを思い出した。鏡胴内を覗いてみたらかなり暗く、遮光環やネジ切りなど迷光対策が施されていた。総じて観察に支障になるような問題点はなく、パピリオと同じく低価格機でもペンタックスのエンジニアたちの真面目さ、矜持が伺えた。

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最近の双眼鏡のトレンドは広視界化だと思う。ツァイスのコンクエストはその広い視界で評価が高い。実際ペンタと比較すると接眼レンズの大きさ(=広視界)に大差がある。データ的にはツァイス10倍が6.8度(118m/1000m)だが、ペンタ10倍は一段落ちる5.5度(96m/1000m)で設計がやや古い印象。といっても見やすさ(広視界)と覗きやすさはトレードオフの関係。こと覗きやすさという点では瞳孔の位置に気を使うことが少ないペンタの方が良かった。また僕の場合、広視界が求められる林間の鳥見では低倍率機を持ち出すので、必ずしもハンデにはならない。

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しいて欠点といえばその図体。ほとんど42mm級のサイズ、重さ(640g)である。しかし実際に使ってみると細身で持ちやすく、あまり重さを感じない。親指が当たる箇所にある凹みもハンドリングの良さにつながっている。結論として1万円台で買える双眼鏡としては、その見え味と操作性でバストバイではなかろうか。ちょっと大きめだがバリューな双眼鏡を欲しい人には、このPENTAX AD 10×36 WPはおすすめの一品。
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Last Modified : 2021-02-08

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